Unityで3D横スクロールの挙動を考える
Unityで3D横スクロールの挙動を作る
これはpepabo Advent Calendar 2016 - Qiitaの15日目の記事です。
昨日は id:yutokyokutyo の コードレビューするのが怖いと思っていたエンジニアが半年間コードレビューを経験して思った 10 のことでした。
ところでみなさんはロックマンXシリーズが好きですよね。
僕は大好きです。なのでみなさんも大好きです。
ロックマンXシリーズはX~X6まではドット絵の2D横スクロールアクションゲームでした。 X7から完全な3Dとなり、今までなかった手前や奥の概念が入りました。 それが不評だったかは定かではありませんが、X8は3Dだけども移動は旧来の左右のみの2D移動となりました。
こういうのを3D横スクロールと呼ぶらしいです。
3D横スクロールの良いところは前進後退の二択しかないので操作が簡単になる、且つ3D空間を動き回るので見栄えが良いという点だと思います。
今回はこの3D横スクロールのキャラの挙動を考えてみます。
説明はいいから使うぞという方はこちらのアセットをご利用ください。 github.com
後半もう一回リンク貼ります。
要件
- 3D空間である
- キャラクターは進むルートが決まっている
- 進む方向は前・後の二種類
ざっくり考えるとこんな感じ。
キャラクターは進むルートが決まっている
これを実現するには、歩いてほしいルートの要所要所の位置情報を持たせておいて、AからBまで直進、到着したらBからCまで直進、CからD... といった感じにするのが一番わかりやすいかなと思います。
いわゆる WayPoint
と呼ばれる位置情報の配列を用意して、それに沿って移動させるということです。
UnityだとWayPointを置く場合空のGameObjectを配置すると楽です。
上記のgifで見える赤い点がWayPointで、それらを線で繋いでます。 Boxがひたすら点の位置に向かって進む、通過したら次の点まで直進してるのがわかります。
AからBまで向かうのにどの方向を向けばいいかはベクトルの減算(B-A)を正規化すれば求められます。
Unityなら以下の感じ
Vector3 a = transform.position; Vector3 b = target.transform.position; Vector3 direction = (b - a).normalized;
transform.LookAt
でも同じことはできますがオブジェクトの向き自体が変わってしまうのでご注意を。
これで向きは定まったので、directionにスカラー値speedを乗算して目標地点に向かわせることができます。 で、接近したら次の目的地を渡して、directionの再計算。基本的にこれの繰り返しです。
- 現在位置Aから目的地Bの向きを求めて移動する
- 現在位置と目的地の距離がn以下になったら到着とみなす
- 次の目的地Cを参照する。以降繰り返し。
一方通行であれば配列一つでなんとかなるので楽です。
進む方向は前・後の二種類
実際のゲームになると前進だけじゃなくて後ろに戻るパターンもあります。
一方通行だとA->B、B->Cだけ考えればよかったのですがB->A、C->Bも考える必要があります。 欲しいのは現在の自分からの、前方の目的地、後方の目的地情報です。 この辺をクラス化してまとめていくとよさそう。
class WayPoint { public Vector3 position; WayPoint next, prev; }
自身の位置情報、その前後のWayPoint情報を持つシンプルなクラス。 ただ、個人的に理解しにくかったです。
というのも、A->Bのちょうど中間地点にいたときに自分はどこの点にいると言える?という点でもやってしまいました。
点から点へ移動するゲームであればWayPointの概念がわかりやすいのですが、ロックマンのようなゲームでは点はあくまで通過点に過ぎず、点と点を繋ぐ線の間を自由移動するようなイメージが強いです。
点と点の間で止まる可能性もあるし、点の間で反対方向のWayPointに向く場合もある。
というのを踏まえると、WayPointの概念をうまいこと包み込んで線で管理するクラスのがよいのでは。ということで下記のLineクラスを定義。
public class Line { public Line next, prev; public Vector3 front, back; public Line(Vector3 f, Vector3 b) { front = f; back = b; } /// <summary> /// 任意の向きの目的地を返す /// </summary> /// <param name="d"></param> /// <returns></returns> public Vector3 GetWayPointByDirection(Direction d) { return d == Direction.front ? front : back; } /// <summary> /// 任意の向きの次の線を返す /// </summary> /// <param name="d"></param> /// <returns></returns> public Line GetNextLineByDirection(Direction d) { return d == Direction.front ? next : prev; } } public enum Direction { front, back }
WayPoint情報をfront,backに格納した、二点間の線を表すクラスです。 このクラスの仕事は、自身のLine上のキャラクタが前進・後退する場合にどこを目指せばいいのかというのを教えることです。 もらったWayPointに接近したら次のLineを取得する。の繰り返し。
実際にできたアセット
こんなものができました。
WayPointを置いたら、その方向にオブジェクトを移動させるアセットです。
使い方
先にUniRxをインポートしてください https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/17276
- LineManagerを適当なスクリプトに貼り付けて、インスペクタからWayPoints配列の数を設定します
- WayPointのための空のオブジェクトを生成して、インスペクタからWayPointsの配列に入れます。この時点でシーン上では線が表示されます。
- 動かしたいオブジェクトに
DirectionController2d
をアタッチします
- 実際に移動するスクリプトを書きます。 例としてはこんな感じ。
using UnityEngine; using LineTrace; public class Move : MonoBehaviour { public DirectionController2d controller; public float speed; void Update () { if (Input.GetKey(KeyCode.LeftArrow)) { // 向きを設定する controller.direction = Direction.back; transform.position += controller.forward*speed*Time.deltaTime; } else if (Input.GetKey(KeyCode.RightArrow)) { // 向きを設定する controller.direction = Direction.front; transform.position += controller.forward * speed * Time.deltaTime; } } }
キーボードの十字キーで右側、左側にいい感じに動いてくれます。
実装側は DirectionController2d
に向き direction
を与えることと、現在の向きベクトル forward
を取得する以外特に何もしなくていいです。
LineManager
がWayPointからよしなに Line
クラスを生成して、 DirectionController2d
クラスが現在自身が乗っている Line
を逐一チェックして更新してくれます。
ちなみに LineManager
のcycle
にチェックを入れるとWayPointの始点と終点を繋ぐので無限にぐるぐるできます。
DirectionController2d
のautoRotation
チェックを入れると、目的地の方向に自動で回転します。回転速度は rotateSpeed
の値を参照します。
欠点
このアセットは二点間の距離を調べるときに高さ(Y軸)を見ません。 なぜ高さを省いたかというと、高さまで考慮すると通過される可能性があったためです。
例えばWayPointAが次の目的地だったとして、Aを飛び越えるような感じで大きくジャンプした場合に、距離算出だけだと目的地にたどり着いてない判断をされる可能性があります。 そのためY軸を潰して、高さ情報抜きで接近したかを判別してます。
DirectionController2d
の一部を抜粋
this.UpdateAsObservable() // 目的のポイントに接近したかどうか .Where(_ => Mathf.Abs(Vector2.Distance(transform.position.XZ(), current.GetWayPointByDirection(mDirection).XZ())) < distance) .Subscribe(_ => { var next = current.GetNextLineByDirection(mDirection); current = next ?? current; direction = mDirection; });
transform.position.XZ()
はVector3クラスの拡張メソッドです。X,Zの値でVector2を作ります。
こんな感じでY軸を潰して距離算出、distance以下であれば次のLineを取得・・といったことをしています。
なので、このスクリプトは上に登っていくようなゲームには向いてないです。横スクロール用でお使いください。
その代わり、回転については処理が多少簡単になっています。
this.UpdateAsObservable() .Where(_ => forward != Vector3.zero) .Subscribe(_ => { var arrivedForward = forward.XZ(); var cross = transform.forward.XZ().Cross(arrivedForward); var dot = Vector2.Dot(transform.forward.XZ(), arrivedForward); // ほぼ目的の方向向いた場合に回転させない if (dot < 0.98F) { transform.Rotate(Vector3.down, rotateSpeed * Mathf.Sign(cross) * Time.deltaTime); } });
自身の現在の向きと向きたい方向ベクトルの外積 cross
を出します。
二次元ベクトルの外積は便利で、A x B の時、ベクトルAから見てベクトルBが右側にあるのか、左側にあるのかを正・負で算出できます。
これで回転すべき方向がわかります。が、これだと自身が目的の方向を向いているのかわからないので内積 dot
を出します。
正規化した二次元ベクトルの内積 A・B は二つのベクトルのなす角度を -1~1 で求められます。0が直交、1が並行、-1が真逆のベクトルということですね。
crossで向きはわかったので、dotが一定以下である場合に回転させる、ということをしています。
備考:カメラ
これで移動処理は概ね実装できますが、ゲームとなるとカメラもいい感じに追従して欲しくなります。 カメラも基本原理は同じで、WayPointを置いて動かすというスタンスで行けそうですが、キャラがどの位置にいるときにここにカメラがあってほしい、みたいなマッピングがあるので結構大変そうです。 また、アーティストが入ってくる部分でもあるので簡単に弄れるようにしたかったりもします。
割と大変な作業なので、僕はCameraPathAnimatorというアセットを使うことが多いです。
配置がかなりお手軽なのでかなりコスト削減できます。 対象を注視しながら移動ということもできるので横スクロール系だとこれがメインの使い方になりそう。 上記リンクもしくはここからアセットを購入すると僕に報酬が入るシステムなので皆様是非お買い求めください。
ちなみにWayPointシステムも、SimpleWayPointSystem という便利なアセットを使えばサクッと実装できます。こちらはルートをベジエ曲線とかスプライ曲線などで細かく設定できるのがポイントです。
じゃあこの記事はなんだったんでしょうね。
明日は @genkiroid の番です genkiroid.github.io
Unityでシーンをキャッシュする仕組み
2時間遅れの公開になります。遅れてしまった・・。
こちらはUnityアドベントカレンダー、12/5の記事です。
前回は凹さんの「Unity で Windows のデスクトップ画面をテクスチャとして表示するプラグインを作ってみた」でした。
シーンを保持したい問題
Unityでよく悩む問題として、シーン遷移時に前の状態に戻したいということがたびたびあります。
- シーンAからシーンBに遷移
- Bからキャンセル等の動作でAに戻る
- Aのカーソル位置や状態が初期状態に戻る
RPGのフィールド画面 -> 戦闘画面 -> フィールド画面とか パーティゲームのキャラ選択 -> ステージ選択キャンセル -> キャラ選択に戻る
とか。 つまり、前の状態を保持したままシーン遷移を行いたくなることが多いです。 やり方としては、パッと2パターンくらい浮かびました。
- シーン遷移時に必要な情報をシリアライズしてシーンを破棄、再読み込み時に流し込む
- シーンを破棄せずまるごと非アクティブ化。再読み込み時にアクティブにする
前者の方がメモリを食わずに済むので便利そうですが、何をシリアライズするか具体的に決まっていないと作れなさそうな気がしました。 後者は汎用的に使える仕組みではありますが、シーンが残ったままなのでメモリが心配です。特にモバイルだと処理落ちしないかちょっと心配。
今回はこんなやり方どうよというところを紹介したいので、後者を実装します。
シーンのキャッシュ
結論から言うとこんな感じにできました。
シーンのキャッシュ的な機構 pic.twitter.com/mtnC1llFuE
— いも@EFB~相手は死ぬ~ (@adarapata) 2016年12月5日
以下のことができます。
- 任意のシーンにロードして以前のシーンを非アクティブ化。キャッシュがある場合はシーンをアクティブ化。
- 任意の複数のシーンをロードして合成、一つのシーンとしてキャッシュする
追加したクラスは2つで、シーンのロードを担当する SceneManagerWithCache
と、シーンの状態を管理する SceneProperty
です。
シーンの状態を持つSceneProperty
using UnityEngine; using UniRx; public class SceneProperty : MonoBehaviour { public bool cacheable; public string sceneName { get { return gameObject.scene.name; } } private Subject<Unit> sceneEnabledStream = new Subject<Unit>(); public IObservable<Unit> sceneEnabledAsObservable { get { return sceneEnabledStream.AsObservable(); } } private Subject<Unit> sceneDisabledStream = new Subject<Unit>(); public IObservable<Unit> sceneDisabledAsObservable { get { return sceneDisabledStream.AsObservable(); } } public void Disable() { sceneDisabledStream.OnNext(Unit.Default); foreach (var root in gameObject.scene.GetRootGameObjects()) { root.SetActive(false); } } public void Enable() { sceneEnabledStream.OnNext(Unit.Default); foreach (var root in gameObject.scene.GetRootGameObjects()) { root.SetActive(true); } } }
ScenePropertyはシーンのRootのオブジェクトに貼ります。 役割は以下です。
- シーンがキャッシュできるかどうかの設定を持つ
- シーンの有効化、無効化処理のインタフェース
例えば絶対に使いまわししないであろうシーン(スコアをサーバに送信したりとか)の場合はcacheableのチェックを外しておき、シーンが使われなくなった時点で削除するようにします。
Enable,Disableメソッドを外部から叩いて、シーン全体のアクティブ、非アクティブ化を行います。
Rootオブジェクトに貼り付けてるのに GetRootGameObjects
でルートを取得するのは、後述の複数シーン合成に対応するためです。
ちなみに、アクティブ、非アクティブのタイミングでストリームを発行するので各種シーン側でスクリプトを噛ませてごにょごにょできます。
シーンのロードを担当する SceneManagerWithCache
using System.Collections; using System.Linq; using UnityEngine; using UniRx; using UnityEngine.SceneManagement; public class SceneManagerWithCache : MonoBehaviour { [SerializeField] private int sceneCacheCapacity = 3; public ReactiveCollection<SceneProperty> scenes = new ReactiveCollection<SceneProperty>(); private void Awake() { var sceneAddAsObservable = scenes.ObserveAdd() .Publish() .RefCount(); sceneAddAsObservable .Where(s => s.Index >= sceneCacheCapacity) .Subscribe(s => { var unloadScene = scenes.First(); scenes.Remove(unloadScene); SceneManager.UnloadSceneAsync(unloadScene.gameObject.scene); }); sceneAddAsObservable .Select(currentScene => scenes.Where(s => !(s.cacheable | s.Equals(currentScene.Value)))) .Where(unCachedScens => unCachedScens.Count() > 0) .Subscribe(unCachedScens => { for(int i = 0; i < unCachedScens.Count(); i++) { var s = unCachedScens.ToList()[i]; scenes.Remove(s); SceneManager.UnloadSceneAsync(s.sceneName); } }); } public IObservable<SceneProperty> LoadMergedScene(string baseSceneName, bool useCache, params string[] subSceneNames) { if (useCache) { IObservable<SceneProperty> propertyObservable = GetCacheScene(baseSceneName); if (propertyObservable != null) { return propertyObservable; } } return LoadScene(baseSceneName, useCache) .Take(1) .Select(p => p.gameObject.scene) .Concat(Observable.FromCoroutine<Scene>(observer => LoadSubSceneCoroutine(observer, subSceneNames))) .Do(loadedScene => { var baseScene = SceneManager.GetSceneByName(baseSceneName); SceneManager.MergeScenes(loadedScene, baseScene); }) .Select(_ => scenes.Last(s => s.sceneName == baseSceneName)); } private IEnumerator LoadSubSceneCoroutine(IObserver<Scene> observer, params string[] subScenes) { foreach (var s in subScenes) { yield return SceneManager.LoadSceneAsync(s, LoadSceneMode.Additive) .AsObservable() .ToYieldInstruction(); observer.OnNext(SceneManager.GetSceneByName(s)); } observer.OnCompleted(); } public IObservable<SceneProperty> LoadScene(string name, bool useCache = true) { if (useCache) { IObservable<SceneProperty> propertyObservable = GetCacheScene(name); if (propertyObservable != null) { return propertyObservable; } } return SceneLoadedAsObservable(name); } private IObservable<SceneProperty> GetCacheScene(string sceneName) { var scene = scenes.LastOrDefault(s => s.sceneName == sceneName && s.cacheable); if (scene == null) { return null; } scene.Enable(); var beforeScene = scenes.Last(); if (beforeScene != null) { beforeScene.Disable(); } scenes.Remove(scene); scenes.Add(scene); return Observable.Return<SceneProperty>(scene); } private IObservable<SceneProperty> SceneLoadedAsObservable(string name) { return SceneManager.LoadSceneAsync(name, LoadSceneMode.Additive) .AsObservable() .Select(_ => SceneManager.GetSceneByName(name)) .Select(scene => scene.GetRootGameObjects().First().GetComponent<SceneProperty>()) .Do(property => { var beforeScene = scenes.LastOrDefault(); if (beforeScene != null) { beforeScene.Disable(); } scenes.Add(property); }); } }
100行超えてつらい。
外部から呼べるメソッドは二つです。
- LoadScene
- LoadMergedScene
LoadScene
は SceneManager.LoadScene
と同じ感覚で、シーン名を指定してロードします。
通常時と違うのは、キャッシュを使うか否かbooleanで渡せるところです。
useCache = trueで渡すと、すでにシーンが非アクティブで存在する場合そちらを有効化します。
見つからなかった場合は通常のシーン読み込みが行われます。
内部的にはロード時は以下のフローです
- キャッシュが無い場合
SceneManager.LoadSceneAsync
でシーンロード - キャッシュがある場合、該当シーンから
SceneProperty
を取得して有効化 - 直前のシーンを無効化
- シーン管理リストに追加
- キャッシュ数上限を超える or キャッシュしないシーンをリストから削除、
SceneManager.UnLoadAsync
でヒエラルキーから削除
呼び出し元には IObservable<SceneProperty>
を返して、ロード完了後にイベントを発行します。
完了後のなにかしらはシーン側にお任せします。
キャッシュ数上限は sceneCacheCapacity
が保持しており、インスペクタ上から設定できます。
LoadMergedScene
は、シーン名を指定してロードするのは同じですが、こちらは複数ロードすることができます。
ベースとなるシーンAと、可変長引数のシーン名配列を渡すことで、該当のシーンをすべてロードした上でシーンAに統合してくれます。
これは、1つのシーンを機能ごとに分割して管理をしている場合に有効です。 例えばデザイナと分担するためにシステムとUIをシーン分けて作業しているけど、実際に使うときは完全に統合したいんだよみたいなときとか。 どういうシチュエーションだろうか、というところは前回のエントリなどを見ていただけるとイメージがつかめるかもしれません。
こちらも最終的な返り値は IObservable<SceneProperty>
なので通常のシーン読み込みと同じように扱えます。
ちなみに呼び出し側はこんな感じ。
GetComponent<ObservableEventTrigger>()
.OnPointerClickAsObservable()
.Subscribe(_ => {
var manager = FindObjectOfType<SceneManagerWithCache>();
manager.LoadScene(sceneName).Subscribe(s => print("loaded: " + s.sceneName));
}
とりあえず、この2つのスクリプトでキャッシュ機構は実現できそうです。
作ってみて
どのプロジェクトにも持っていけるので結構便利。 重さに関しては、少なくともPCで動かして処理落ちなどはないです。 ただモバイルは未検証。正直きついのでは・・と思う。
処理がかなりUniRxゴリゴリ書いているんだけど、Do多用して副作用多かったりだいぶ辛い感じなのでアドバイスいただきたいところ・・。
次は utibenkeiさんです。 qiita.com
UnityFukuoka12をやりました、発表しました。
5月くらいに11をやったので半年ぶり。
僕の発表はこちら speakerdeck.com
主に、マルチシーンを使うと便利だぞという話と、Prefabでの管理をSceneにできないかという話。
以下、スライドの補足。
今回なんでマルチシーンをテーマにしたかというとしたかというと実際にやってみたら楽だったから今後はスタンダードになるだろうと思ったのと、それにしてはその辺の話をした記事が調べても出てこなかったから。
このスライドはその辺の未来にもちょっと言及していたので共感できた。
www.slideshare.net個人的にはPrefabは再利用するための仕組みであって、オブジェクトを保存する仕組みではないと考えている。 なので、複数のシーンにおいたりInstantiateしないのであれば直接シーンファイルの中だけに存在していた方が不要な小さいミスが減らせるんじゃないかなと思ってる。 例えばPrefab化しつつシーンに配置していたとき、以下の問題が起こりうる
- PrefabとHierarchy上で微妙にパラメータが違ってることに気づかずウォォォ
- 逆に誰かが知らずにPrefab側の値を変えてScene内で影響出ててウォォォ
小さいエラーで、修正もすぐできるんだけど頻発する可能性はあるし発生しないに越したことはない。 どちらも結局HierarchyとPrefabの二重管理が引き起こす問題だと思う。 特定のシーンでしか使わないならシーンにだけ存在した方が気持ちが楽になりそう。
多分この気持ちはみんな持っていてあまりPrefabを量産しない気概はあると思うんだけど、そうなると1シーンをエンジニア・デザイナが触る状況が発生してしまい、そこでコンフリクトしないように「Prefabにしてシーンに持っていきますね」ということになってるんだと思う。 そこで、じゃあそのPrefabをシーンにしませんか?という話をしたのが今回の発表ですた。
ただ、これを実現しようとしたときやはりシーン間のオブジェクトの依存関係をどうするかという問題が出てくる。 Prefabだとドラッグ&ドロップで参照できたのにどうしてもスクリプトを書かなくてはならなかったり。 ここをいい感じにできる方法がないものか。
ちなみに、リビングデイブでのシーン間のオブジェクトの依存は以下
- ゾンビがデイブを追いかける(ゾンビはRoom, デイブはHumanControlUI)
- デイブのライフが0になるとゲームオーバー(デイブはHumanControlUI、ゲームオーバー処理はMainGame)
依存先がどちらもユニークだったので、今回は FindObjectOfType
で取ってきている。
これが複数のオブジェクトのうちの一個とかだとFindで決め打ちだのなんだのちょっと面倒な形になりそう。
ただ、個々のオブジェクトでFindだーとか書きまくってると管理に漏れが発生しそうなので一元管理した方がいいのだろうかとか思ったりした。どうやるかは考えてない。
シーン間依存問題とか絶対起きてるだろうからみんなのベストプラクティスをくれ!
ArborでUniRxを使いやすくするArborRxを作った
ということでArborRxというアセットをgithubに公開しました。
Arborとは
ケットシーウェアさんがアセットストアで販売しているアセットです。
https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/47081
GUIで状態遷移を簡単に実装できるのが特徴です。 基本機能が揃っていているのと、結構ガシガシ自分でコード書けるので自分は愛用しています。
UniRxとは
UnityでReactiveExtensionsを実現するアセットです。
説明するとものすごく長くなるので割愛します。
ArborRxとは
その名の通り、ArborとUniRxを連携させるアセットです。 具体的に連携とは何かというと、まだ1機能しかないです。
- GUI上でストリームを購読して遷移させる
リポジトリにも貼ってるやつですがこんな感じです。
ObserveTransitionは、同じState内のスクリプトを全部読んで IObservable<Unit>
を返すメソッドを列挙します。
エディタ上で指定したメソッドが返すIObservable<Unit>
をObserveTransitionが購読して、発行されたら任意のStateに遷移する仕組みです。
それまでもStateBehaviour内部でRxで書いてはいたけど、遷移条件が増えるほどTransition(state)を書き加えていく必要があったので、外出しできないかな?とやってみたのが今回です。
リフレクションする必要があったので若干面倒かと思ったが意外とさっくりできた。
これによって何が嬉しいかというと、StateBehaviourが遷移条件とか一切気にしなくて済むことです。 遷移はすべてObserveTransitionに任せて本来の処理だけを書いていけるので少し見晴らしがよくなります。 とはいえ、ストリームを定義するのは処理側なので実際のところはまだ気にする必要はあるんですけど。
今後はObserveTransitionにオペレータを付けれるようにしたいところ。 あとはUnit以外の型も許容するとか。個人的には通知してもらえればよいのでUnitでいいと思っており、やるかは微妙。
みなさまのプルリクお待ちしております。
第43回 八時間耐久作品制作会(仮) に行ってきた
(仮)までが正式名称 atnd.org
今回もゆったりとした雰囲気だった。
自分は前回から機能のパッケージ化が面白くなってきたので、今回も小さい機能を作っていた。
できたのがこちら。ミッコと呼びます。 github.com
Mikko is
Mikkoは、プラットフォームを気にすることなくタッチ処理を実装できるパッケージです。
Unityでスマホ向け開発を行うときに、タッチの挙動を調べるために Input.GetTouch
などでTouch構造体を取り出すのが一般的だと思う。
しかし、このタッチの状態は実機だと問題ないけどエディタ上で再生したときに取得できないため、エディタ上での場合と実機の場合を両方書く、もしくはUnityRemoteなどで実機のみで確認する、みたいな対応が多かった。
ちなみにそれを解決するアセットはあるっぽいし、UnityもClossPlatformInputと言うものを提供している。
Unity5版Standard Assetsを使って仮想ジョイスティックを実装 - Qiita
前者は有料だったりするのと、後者はちょっと大袈裟すぎる時もあったのでシンプルなものを作ってみた。
使い方
タッチ関連の処理をエディタとスマホ実機で動かす場合、ざっくりとこんな感じ。
using UnityEngine; using System.Collections; public class Hoge : MonoBehaviour { void Update () { if(Application.isEditor){ if(Input.GetMouseButtonDown(0)) { // タッチした瞬間の処理 } else if(Input.GetMouseButtonUp(0)) { // 放した瞬間の処理 } } else if(Input.touchCount > 0) { var t = Input.GetTouch(0); if(t.phase == TouchPhase.Began) { // タッチした瞬間の処理 }else if(t.phase == TouchPhase.Ended){ // 放した瞬間の処理 } } } }
Mikkoを使うとこんな感じ
using UnityEngine; using System.Collections; using GuP; public class Hoge : MonoBehaviour { void Update () { ITouch t = Mikko.input.touch; if(t.info == TouchInfo.Began) { // タッチした瞬間の処理 } else if(t.info == TouchInfo.Ended) { // 放した瞬間の処理 } } }
エディタだろうがスマホだろうがお構いなしにできます。
内部的にはMikkoはシングルトンになっており、シーン上に一つだけDontDestroyOnLoad
で生成されます。
現在取れるのは三つだけ
- position: タッチした座標
- deltaPosition: 前回との差分ベクトル
- info: タッチの状態
必要になったらガシガシ追加していこうと思う。 UnityPackageはこちらに
https://github.com/adarapata/Mikko/releases/download/0.1.0/Mikko_0_1_0.unitypackage
八耐感想
Vive使ったガンシューティングが面白かった。 www.instagram.com
難易度は高めだったけど、もっとのめり込めるFPSみたいになってて満足度高かった。
だけど後輩が、HMD装着して周りが見えない僕の頭皮を積極的に撮影しようとしていたのでVRは危険だと強く感じた。
Unityでシンプルなポップアップを実装する
スマホゲーとかでよく出るやつを作ってみた。
最近だと横からニュッと出るやつとか下からシュッと出るやつとかあるけど、今回は昔からあるダイアログ形式のやつを実装してみた。
まずは、シンプルに任意の時間でオブジェクトを拡大縮小させるTweenScaleクラスを作る。
UniRxがインポートされている前提なのでいますぐアセットストアから落としてこよう。
TweenScale.cs
using UnityEngine; using System.Collections; using UniRx; using UniRx.Triggers; using UnityEngine.Events; using System; [Serializable] public class TweenScale { public Vector3 from, to; public float duration; public AnimationCurve curve = new AnimationCurve(new Keyframe(0,0), new Keyframe(1,1)); public UnityEvent onBegin, onEnd; private GameObject target; private Subject<Unit> scaleStartStream = new Subject<Unit>(); public IObservable<Unit> scaleStartAsObservable { get { return scaleStartStream.AsObservable(); } } private Subject<Unit> scaleEndStream = new Subject<Unit>(); public IObservable<Unit> scaleEndAsObservable { get { return scaleEndStream.AsObservable(); } } public void Setup(GameObject t) { target = t; scaleStartAsObservable.Subscribe(_ => onBegin.Invoke()); scaleEndAsObservable.Subscribe(_ => onEnd.Invoke()); scaleEndAsObservable.Subscribe(_ => target.transform.localScale = Vector3.Lerp(from, to, curve.Evaluate(1.0F))); } public void Play() { scaleStartStream.OnNext(Unit.Default); Observable.EveryFixedUpdate() .Take(System.TimeSpan.FromSeconds(duration)) .Select(_ => Time.fixedDeltaTime) .Scan((acc, current) => acc + current) .Subscribe(time => { float t = time / duration; target.transform.localScale = Vector3.Lerp(from, to, curve.Evaluate(t)); }, _ => {}, () => scaleEndStream.OnNext(Unit.Default) ).AddTo(target); } }
結構ゴチャゴチャしてるけど、実際の拡大縮小処理はこのストリームにまとまっている
scaleStartStream.OnNext(Unit.Default);
Observable.EveryFixedUpdate()
.Take(System.TimeSpan.FromSeconds(duration))
.Select(_ => Time.fixedDeltaTime)
.Scan((acc, current) => acc + current)
.Subscribe(time => {
float t = time / duration;
target.transform.localScale = Vector3.Lerp(from, to, curve.Evaluate(t));
},
_ => {},
() => scaleEndStream.OnNext(Unit.Default)
).AddTo(target);
呼ばれた時点で scaleEndStream.OnNext(Unit.Default)
を呼んでスケーリング開始時のイベントを発行する。
画像だとその時点で暗転用のオブジェクトをActiveにしている。
線形補間でスムーズにスケーリングさせるので、経過時間(time) / スケーリングにかける時間(duration)で現在の位置tを出す。
tを出したら挙動はAnimationCurveが持ってるので curve.Evalute(t)
で現在の値を返すようにする。
duration秒経過したらストリームが終了するのでその時点で scaleEndStream.OnNext(Unit.Default)
を呼んで終了時のイベントを発行する。
で、開くときと閉じる時の挙動は別々で用意したいことが多い気がしたので、上記クラスを二つ持たせたPopupコンポーネントを定義する。
Popup.cs
using UnityEngine; using System.Collections; using UniRx; public class Popup : MonoBehaviour { public enum State { Open, Close, UnUsed } public State state { get; private set; } public TweenScale open, close; void Start() { open.Setup(gameObject); open.scaleEndAsObservable.Subscribe(_ => state = State.Open); close.Setup(gameObject); close.scaleEndAsObservable.Subscribe(_ => state = State.Close); } public void Open() { open.Play(); } public void Close() { close.Play(); } public void Toggle() { switch(state) { case State.UnUsed: case State.Close: open.Play(); break; case State.Open: close.Play(); break; } } }
このコンポーネントはOpenとCloseしかできないシンプルなコンポーネント。 Toggleは開いてたら閉じる、閉じてたら開くけどあんまり使わないかもしれない。
実際にポップアップ使うとなると、ただオブジェクトが飛び出てくるだけでなくそれに付随した様々な処理が入ってくると思う。サンプルみたいに他の部分をタッチできないように暗幕を置いたりするなど。
その辺を色々考慮し始めるとキリがないので、UnityEventsを使ってインスペクタから別のオブジェクトにメッセージ飛ばせるようにしている。
こっちの方がデザイナが演出とかの組み込みがやりやすそう。
スクリプトで書きたいなら scaleStartAsObservable
と scaleEndAsObservable
プロパティがあるのでそこから購読できる。
ちなみにUnityEventsを使ってはいるが、最終的には scaleStartStream
と scaleEndStream
の二本のストリームに集約しているので若干コードはすっきりした。
入れ子みたいにしても気持ちいい。
UnityPackageにしたのでご自由にお使いください。 https://github.com/adarapata/SimplyPopup/releases/download/0.1.0/SimplyPopup_0_1.unitypackage
おまけ
生成したポップアップオブジェクトのscaleEndAsObservableを購読して数珠繋ぎに消す
トロイ pic.twitter.com/TJEp3t9zid
— いも@EFB~相手は死ぬ~ (@adarapata) 2016年7月25日